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Mi familia つづき

 投稿者:ポチ  投稿日:2017年10月16日(月)11時51分0秒
  もちろん志藤は自らの嘆きを口にするというふりで、怜子に突きつけているのだった。頑なに拒絶を貫くのであれば、そんな毎日が待っているんですよ、と。
怜子はなにも言えなかった。並べ立てられた状況、情景のすべてが、あまりにも生々しく思い描けてしまって。
「僕にも、怜子社長のような強い意志が持てればいいんですけど。見習うのは難しいですね」
気まぐれにまた呼び方を戻して、やはりそちらのほうがよっぽどマシだと怜子の耳に感じさせながら、志藤は念を押してくる。その意志の強さ、矜持の高さによって、この一年あまりの時間を耐え抜いてきた怜子だが、その“実績”には感服するが。明日からも同じようにそれを続けていくことが本当に出来るのか、と。今夜を越えて、この一夜の記憶を抱えて。
と、志藤は無言で立ち竦む怜子の腰を強く引き寄せた。身体を密着させ、ローブ越しに硬く勃起した感触を押しつけて怜子に息を詰めさせ、乳房を揉み臀を撫でまわしながら、
「やっぱり、考え直してもらえませんか? ふたりだけの関係を再開すること」
未練を露わにした口調でそう問いかけた。またも突然に距離を詰めて。
「ダ、ダメよっ」
荒々しい玩弄に身悶えながら、怜子は忽ちに弾む息の下から叫んで、
「英理に気づかれるわっ」
そう口走って、即座に過ちに気づいた。違う、そうじゃない、と頭を振って、たった今の自分の言葉を打ち消そうとする。
だが志藤は、その怜子の失策に付け入ろうとはせずに、
「……そうですか」
ふうっと嘆息まじりにそう言って、両手の動きを止め、抱擁を緩める。密着していた腰も離れた。
「だったら、未練な気持ちが残らないように、このカラダを味わい尽くさせてもらいますよ」
今度こそ割り切って切り替えたといったような、どこか冷静な響きをたたえた声でそう言った。
「……ぁ…」
そんなふうに言い切られてしまうと、奇妙に切ないような情感が胸にわいて。怜子は無意識に伸ばしかけた手を力なく下へと落とした。
乳房と臀から離れた志藤の手がバスローブの腰紐を解くのを、怜子は沈黙のまま見下ろしていた。次いで、襟にかかった手が、肩を抜いて引き下ろしていくのにも抵抗しなかった。
ローブが床に落ち、熟れた見事な裸身が現れ出る。今度はダイニングを背景に、食卓を傍らに。その状況を意識せずにはいられないのだろう、怜子は羞恥の朱を上らせた顔を俯け肘を抱いて膝を擦り寄せるようにしていたが。その挙措とは裏腹に、爛熟した豊かな肢体は、迫り出すような肉感を見せつける。照明に照らされる白磁の肌には憔悴の陰りは窺えず、むしろ精気に満ちて艶やかな輝きを放つように見えた。
その義母の艶姿へと好色な目を向けながら、志藤は自分も脱いでいった。裸を晒すには、こちらもローブ一枚を取り去ればよかった。深夜の食卓で、そんな姿で義母と娘婿は向き合っていたということだ。
露わになった精悍な裸形へと奪われた視線をすぐに逸らした怜子だったが。すでに半ば以上の力を得た肉根を揺らしながら、志藤が再び腕を伸ばしてくると、
「ここではいやよっ」
そう云って、後ずさった。もはや解放を願おうとはしなかったが、これ以上こんな場所で痴態を演じるのは嫌だと。
「じゃあ、部屋へと戻りますか」
首肯して、怜子を促しながら、志藤は唯一足元に残ったスリッパを脱ぎ捨てる。怜子も、裸にそれだけを履いた姿の滑稽さに気づいて、そっとスリッパから抜いた素足で床を踏んで。促されるまま踵をかえし歩き出して。ダイニングから廊下へと出かかったところで歩みを止め振りかえると、僅かな逡巡のあとに、
「……今夜だけ、よ…」
結局その言葉を口にした。まるでひとつ覚えだと自嘲しながら、あえてその台詞を繰り返したのは、志藤より自分自身に言い聞かせようとする心理だったかもしれない。その一線だけは譲ってはならないと。
それとも……まさか“今夜だけ”なのだからと、朝までの残された時間の中で自らのあさましい欲望を解放しきるための口実、免罪符として、という意識が働いたのか。
そんなはずはない、と打ち消すことは、いまの怜子には出来なかった。己が肉体に背かれるといったかたちで、無様な敗北を重ねた今夜のなりゆきのあとでは。
或いは――と、怜子は思索を進めてしまうのだった。自分の中の暗みを、奈落の底を覗きこんで。この期におよんでも自分からは放棄できないその防衛線を、圧倒的な牡の“力”で粉砕されることこそを、実は自分は望んでいるのではないか、と。
どうあれ、志藤には失笑されるだろうと思っていた。だが違った。志藤はじっと怜子の目の奥を見つめて、
「ええ」
と簡潔に頷いたのだった。その口許に、不敵な笑みを浮かべて。
眼を合わせていられずに、怜子は顔を戻した。己が鼓動を鮮明に感じた。
廊下に出る。再び怜子は、そこを裸の姿で往くのだ。二階の自室へと向かって。一度目と違ったのは、志藤がぴったりと隣りに寄り添ってきたことだった。横抱きに義母の腰を抱いて。歩きながら、その手が腰や臀を撫でまわしてくるのにも怜子は何も言わず、させておいた。すると志藤は、怜子の片手をとって、ブラブラといかにも歩くには邪魔くさそうに揺れている股間の逸物へと誘導した。怜子は抗わなかった。視線も前に向けたままだったが、軽く握るかたちになった己が手の中で、男の肉体がムクムクと漲りと硬さを増していくのは感じ取っていた。ほんの一、二時間前の二度の吐精など、この若い牡の活力には少しも影響していないことを確認させられて、忍びやかな息を鼻から逃がす。撫でまわされる臀肌がジワリと熱くなる。
かつての関係においての逢瀬は、裏通りのラブホテルの“ご休憩”を利用した、時間的に忙しないものだった、いつも。だから、この先は怜子にとって未知の領域だ。今から朝が来るまでの長い時間、若い英理でさえ音を上げ半ばでリタイアしてしまうという志藤の強壮ぶりに自分はつき合わされて、その“本領”を骨の髄まで思い知らされることになるのだ。中年女である自分には、到底最後までは耐え切れぬだろうが。それとも……英理よりもタフだろう、という志藤の無礼な見立てが、正しかったと証明してしまうことになるのだろうか?
胡乱な想念を巡らせているうちに、玄関ホールを通りすぎ階段に辿り着いた。腕を離した志藤が、先に上るように促す。確かに、ふたり並んで上るには窮屈ではあったが。
前回と同様に背後を気にしながら上りはじめた怜子の悩ましい巨臀の揺れ弾みを、今度はより近い距離から見上げていた志藤だったが、
「ああっ!?」
「堪りませんよ、このセクシーなヒップの眺め」
階段の途中で、やおらその揺れる双臀を両手で鷲掴んで怜子を引き止めると、滾った声でそう云って、スリスリと臀丘に頬を擦りつけた。
「な、なにっ!? いやっ、やめなさい……ヒイッ」
前のめりに態勢を崩して、上段のステップにつかまりながら、後ろへと首をねじった怜子が困惑した叫びを上げる。唐突な、志藤らしくもないといえる狂奔ぶりに驚きながらの制止の言葉が半ばで裏返った声に変わったのは、深い臀裂に鼻面を差しこんだ志藤が、ジュルッと卑猥な音を鳴らして秘芯を吸いたてたからだった。
「アッ、ヒッ、い、いやよ、やめてっ」
「怜子社長がいけないんですよ、あんなに悩ましくおしりを振って、僕を誘うから」
双臀のはざまから顔を上げ、かわりに揃えた二指を怜子の秘肉へと挿し入れながら、志藤が云った。
「ふ、ふざけないで、アアッ、イヤァッ」
「ふざけてなんていませんよ。ホラ、こんなにここを濡らして。この甘い蜜の匂いが僕を誘惑したんです」
そう言って、実証するように挿しこんだ指先をまわして、グチャグチャと音を立てる。
「ああ、いやぁ、こ、こんな場所で」
段差に乳房を圧し潰した態勢で、上段のステップにしがみついて、なんとか狼藉から逃れようとする怜子だったが。その身ごなしはまったく鈍重だった。掻きまわされ擦り立てられる媚肉から衝き上がる快美と、耳に届く淫猥な濡れ音が煽りたてる羞恥が、身体から力を奪うのだった。すでにそんなにも濡らしていたのだと、ダイニングでの手荒い玩弄も、また素っ裸でここまで歩かされたことも、自分の肉体が昂奮の材料として受け容れていたのだと暴き立てられることが。
やがて、秘肉を嬲る指の攻めが知悉した泣きどころに集中しはじめれば、怜子はもう形ばかりの逃避の動きさえ放棄して、ヒイヒイとヨガリの啼きに喉を震わせていた。ただ怜子は途中から、唇を噛んで声が高く跳ね上がるのを堪えようとした。こんな開けっ広げな場所で、という意識が手放しに嬌声を響かせることをはばからせたのだった。家内にはふたりだけという状況において無意味な抑制ではあったのだが、惑乱する心理がそうさせた。だがその虚しい努力によってくぐもった啼泣は、逆に淫らがましい響きを帯びて、妖しい雰囲気を演出していた。そして、悦声を堪える代わりといったように、裸身ののたうちは激しくなっていく。捧げるように高くもたげた巨臀を淫らに振りたくり、抉りたてる指のまわりに粘っこく回し、ボタボタと随喜の蜜汁をステップに垂れ零して。重たく垂れ落ちて揺れる乳房、時折段差に擦れる乳首から伝わる疼痛が、状況の破廉恥さを思い出させても、もうそれが燃え上がる淫情に水を差しはしなかった。裸で階段にへばりつき、むっくりと掲げた臀の割れ目から挿しこまれた男の手に秘裂を嬲られ淫らな蜜液をしぶかせている、といまの自分の狂態を認識することで、昂奮と快感はどこまでも高まっていくのだった。
だから、
「……ああ、部屋で、部屋に…」
嫋々たる快美の啼きにまじえて怜子が洩らしたその言葉には、さほどの切実さもこもらず。せいぜいが、はや迫りきた絶息の予感によって掻き起こされた理性の燃え滓の表出、といった程度のものだった。実情とすれば、怜子はもうこのままこの場でアクメの恥態を晒すことも――それを指ではなく、志藤の魁偉な肉体によって与えられることさえ、受け容れる状態に追いこまれていたのだったが。しかし、
「……そうですね」
ほとんどうわ言のような怜子のその言葉を、待っていたというように志藤はそう応じて。そして、彼女の中に挿しこんでいた指をスルリと引き抜いてしまったのだった。
ああ!? と驚愕の声を発して振り返った怜子に、照れたような顔を向けて、
「つい、ガキみたいに血気に逸ってしまいました。すみません」
そう謝ると、上げた足を突っ伏した怜子の体の横に突いて、そのままトントンと段飛ばしに、身軽に怜子の傍らをすり抜けて階段を上がった。
忙しく首をまわして怜子が見上げた先、数段上で振り向いて、
「さあ、早く部屋へ行きましょう。僕はもう待ち切れないんですよ」
朗らかにそう言って、とっとと階段を上っていく。怜子を助け起こしもせずに。こちらは硬く引き締まった尻を怜子に向けて。
「……あぁ……待って……」
呆然と虚脱した表情のまま、怜子は弱い声を洩らして。ようやくノロノロと動きはじめる。両手を突いたまま、這うようにして階段を上っていく。前腕や脛には赤くステップの跡がついて、逆に臀を掲げていたあたりのステップには転々と滴りの痕跡が残っていた。
また玩ばれたのだ、とは無論ただちに理解して。しかし今は怒りもわいてこなかった。怜子の感覚を占めるのは、燠火を掻き立てられて放り出された肉体の重ったるい熱さだけだった。意識には、仰ぎ見る視点のゆえに殊更に逞しく眼に映った志藤の裸身だけがあった。力の入らぬ足腰を踏ん張り態勢を起こしても、片手はステップに突いたまま、危うい足取りで上っていく。志藤のあとを追って。
志藤は待たない。速やかに階段を上りきると通路を進んで、最後に一度振り向き、クイクイと手招きしてみせて。そのまま部屋の中へと入っていった。
ようよう二階まで上がった怜子が、開け放たれたドアを目指し、のめるような足取りで進んでいく。追いたてられるのではなく追いかけて、自分の寝室へと向かっていく。
白く豊艶な裸身が室内へと消えていき、その勢いのままに引かれたドアがバタンと不作法な音を立てて閉ざされた。その場は、束の間、深更の静かさを取り戻した。閉ざされたドアの向こうから、艶めいた音声が洩れ聴こえはじめるまでの僅かな間――。
 
 

再更新

 投稿者:ポチ  投稿日:2017年10月16日(月)11時50分35秒
  再投下します。
またもバタついて、申し訳ありませんでした。
 

すみません

 投稿者:ポチ  投稿日:2017年10月16日(月)04時35分20秒
  昨日(10/15(日))更新分、少し直したい箇所があり、下げさせていただきます。
度々で申し訳ありませんです。
 

更新

 投稿者:ポチ  投稿日:2017年10月15日(日)13時41分31秒
  >kkrさん
書き込みありがとうございます。
エロ成分の御提供もありがたいです。すみません、まだザッと目を通しただけなので、これからじっくり愉しませていただきます。
引き続き、気長にお付き合いいただければ幸いです。

>のいすかさん
いつもありがとうございます。
志藤は、まあ底意地の悪さを発揮してますね。
怜子社長にも、もう少し対抗してもらうべきか、とも思いつつ。なかなか塩梅が難しいです。

続きを貼らせていただきます。
やっと、この夜を終わらせました。ふう。
振り返ると、いろいろと不備もあったと思いますが。特にエロシーンが少なかったかなあ、とか。
まあ、とりあえず、これで。
 

00:45っ!

 投稿者:のいすか  投稿日:2017年10月15日(日)08時45分30秒
  ポチさんありがとうございます。
再び、あっというまにその腕中にバスローブ姿の玲子社長を捕らえてしまった志藤。
そして「怜子社長」から 距離を置く「お義母さん」に呼び代えての心理作戦。
じわじわと 外堀から埋めていくようなダイニングでの攻防。
あの寝室には、もう二度と訪れることはないと・・・じっくりと、玲子ママに想像の余地を与え、ここ数ヶ月味わった寂しさ悔しさを、呼び起こさせています。

あ~~とってもいいです!

抱きすくめられてすでに抵抗もせず、あろうことか再び官能の歯車が回りだしつつある玲子ママの心理の揺らぎ、見せ場ですね!

「リビングのソファに座っていても、シャワーを使っていても、玄関ホールに立って、あの階段を見上げるだけでも、思い出さすにはいられないでしょう」
「……やめて」
むっふう・・・最高ですぅ・・!
 

エロ成分補充にどうぞ

 投稿者:kkr  投稿日:2017年10月12日(木)00時08分59秒
  ポチ先生こんにちは。いつも楽しみにしています。
萌えたコピペと言うサイトに中々よいと思われる体験談がありました。妄想の補充にどうぞ
http://moemoe.mydns.jp/view.php/43635

こちらの方は笑える内容ですが、面白かったのでついでに貼っておきます
http://blog.livedoor.jp/nemusoku/archives/52214502.html
 

Mi familia つづき

 投稿者:ポチ  投稿日:2017年10月 8日(日)10時27分14秒
  「――なに、をっ」
瞬時、率直な驚きを浮かべた貌が、すぐに険しく強張る。睨みつける視線を平然と受け止めた志藤は気障りな笑みを消して、
「怜子社長は考えたことはありませんか? もし、あのとき英理に気づかれなかったら、あんなかたちで英理が介入してこなかったら。いまの僕と貴女の関係はどうなっていたかって」
「…………」
「僕は何度も考えましたよ。考えずにはいられなかったな。だって、本来僕が、なんとしても手に入れたいと望んだ相手は、須崎怜子という女性だったわけですから」
それは、この夜の始まりに口にした言葉に直結する科白だった。一年前の成り行きは、けっして怜子を捨てて英理を選んだということではなかった、という弁明に。静かだが熱のこもった声で、真剣な眼色で。だが繰り返したその表白に、いま志藤がこめる思惑は、
「だから、また貴女とあんな関係に戻れたらって。思わずにはいられないんです」
つまりは、改めて密かな関係を築こうという恥知らずな提案なのだった。怜子が、英理からの“招待”をどうしても受ける気がないというのであれば。その英理を除外して、またふたりだけの関係を作ろうじゃないか、と。
ぬけぬけと言い放った志藤の眼には、身勝手に思い描いた未来への期待の色が浮かぶように見えた。またその口ぶりには、それならば英理の構想する“三つ巴”の生活よりはずっと受け容れやすいだろう、という極めつけが聞き取れた。
「……呆れるわね」
短い沈黙のあとに怜子が吐き捨てた言葉には、しごく真っ当な怒りがこもった。どこまで節操がないのか、と。志藤を睨む眼つきが、さらに強く厳しいものになって。
しかし、その胸には混乱も生じていたのだった。英理への背信というべき提案を持ち出した志藤に。この若い夫婦は、自分を陥れ取り込むために結束していたのではなかったか。
無論、その厚顔な告白を真に受けるなど馬鹿げている、と心中に呟きながら、怜子は志藤へと向けた剣呑な視線の中に、探る意識を忍ばせてしまうのだった。冷淡な義母の反応に微かな落胆の息をついて、
「でも、それが僕の正直な想いなんですがね」
「…………」
尚もそう重ねた娘婿の瞳の奥に、その言葉の裏付けを探そうとしてしまうのだった。
志藤が口を寄せた。ゆっくり近づいてくるその顔を、怜子は睨み続けていた。唇が触れ合う寸前になって顔を横に逃がそうとしたが、意味はなかった。唇が重なりあってから、怜子は瞼を閉じた。
優しく丁重なキスを、ただ怜子は受け止めた。舌の侵入は許しても、自らの舌を応えさせはしなかった。
急にその息を乱させたのは、胸元から突き上げた鋭利な刺激だった。バスローブの下に潜りこんだ志藤の手が、たわわな膨らみを掬うように掴んでジンワリと揉みたてたのだった。
「は、離してっ」
「無理ですよ。もう手が離れません」
身をよじり、嬲りの手をもぎ離そうとする怜子の抵抗など歯牙にもかけずに、志藤が答える。弱い抗いを封じるように、ギュッと強く肉房を揉み潰して、怜子にウッと息を詰めさせると、またやわやわと懇ろな愛撫に切り替えて、
「この極上の揉み心地とも、今夜かぎりでまたお別れだなんて。どうにも惜しいな」
そうひとりごちて、せめてもその極上の感触を味わう尽くそうというように、手指の動きに熱をこめていく。
怜子はもう形ばかりの抵抗も示せずに、乳房への玩弄を受け止めていた。繊細な柔肉の、それにしても性急に過ぎる感応ぶりが抗いの力を奪っていた。瞬く間に体温が上昇して、豊かなブルネットの生え際には、はやジットリと汗が滲みはじめている。豊かな乳房の頂では、まだ直截の嬲りを受けない乳首がぷっくりと尖り立っていた。クタクタに疲れ果てていると、志藤に吐露した弱音は嘘偽りのない実感からのものだったが、疲弊した肉体の、しかしその感覚はひどく鋭敏になっていることを思い知らされた。
そんな我が身の異変に悩乱し、胸乳から伝わる感覚に背筋を痺れさせながらも、怜子は、
「でも、正直自信がないですよ。明日からまたこれまで通りの生活に戻っていけるかは」
半ば独り言のように喋り続ける志藤の声に、耳をそばだてていた。
すでに仕掛けている淫らな接触のとおり、これで解放してくれという怜子の懇請は完全に黙殺していたが。しかし、今夜かぎりにすることは受け容れた言いようになっている。つい先ほどまで“英理に隠れてでも”と関係の継続を迫ってきた位置から、あっさりと引き下がって。その唐突な距離の変化が怜子を戸惑わせ、耳を傾けさせるのだった。なにか……割り切れぬような尾を引いて。
「今夜、あらためて身体の相性のよさも確認できたっていうのに。それを、一夜だけの夢と納得しろだなんて。切ないですよ」
「…………」
志藤も、じっくりと聞き取らせようとするのだろう。乳房への嬲りを緩めた。そうされずとも、思惑は察することが出来たが。しかし口上を制止する言葉が出てこなかった。
身体――セックスの相性のよさ。この不埒な若い男の手に触れられただけで――たった今がそうであるように――情けないほどにたやすく燃え上がり蕩けていった己が肉体。淫猥な攻めの逐一に過剰なほどに感応して、振り絞った悦声、吹きこぼした蜜液。そして……かつてのこの男との記憶さえ凌駕してしまった、凄絶な情交――。
「だって、これからも僕らは、この家で一緒に暮らしていくわけですからね。怜子社長……いや、もう弁えて、お義母さんと呼ぶべきかな。とにかく、貴女の姿がいつもすぐそばにあるわけで。それじゃあ、今夜のことを忘れることなんて、とても」
「…………」
そう、同居生活は続いていく。今夜、なにもなかったと方をつけるなら、同居暮らしも何事もなく続いていくしかない。“ただの”娘婿に戻った志藤は、これまでのように妻である英理との仲睦まじさを見せつけるのだろう。その傍らにいる自分には、あくまで慇懃な態度で接し、“お義母さん”という正しい呼称もすぐに口に馴染ませて……。
「お義母さんが不在のときだって、同じことですよ。リビングのソファに座っていても、シャワーを使っていても、玄関ホールに立って、あの階段を見上げるだけでも、思い出さすにはいられないでしょう」
「……やめて」
やっと振り絞ることが出来た。
転々と、場所を移しながら繰り広げた痴態。我が家のそこかしこに刻んでしまった記憶。それを明日からの生活に引き摺っていかねばならないのは、無論志藤ひとりではない。
数瞬だけ志藤は黙って。そして付け加えた。
「まあ、お義母さんの寝室だけは、僕は二度と立ち入ることはないでしょうけど」
「…………」
そう。その場所は、また怜子だけのスペースになる。何処よりも濃密な記憶が蟠る、あの部屋は。
毎日の終わりに、たとえば湯上りの姿で戯れ合う志藤と英理を階下に残して、或いはすでにふたりが夫婦の寝室に引き上げたあとに。怜子はひとり階段を上り、あの部屋へ、あのベッドへと向かうのだ。
毎晩、ひとりで。
 

更新

 投稿者:ポチ  投稿日:2017年10月 8日(日)10時26分9秒
  のいすかさん、いつもありがとうございます。
志藤は、完全に中休みとしか考えてないですね。ゆったりと時間を使える贅沢を味わってるくらいのもんで。
怜子ママンは、まあ、やらかしてしまったあとに、今後の対処策とか確認しておきたかったってのはあると思うんですが。
それだけでもないようですなあ。結局、“誘い受け”ととられても仕方ないような成り行きで。
帰宅した慎一が、どんな状況を目の当たりにするのかは、ちょっとまだ未確定ですが。
まあ、あまり派手なことにはならないかと……。

続きを貼らせていただきます。
またまた、パートを終わらせることが出来ませんでした。もう予測の範疇ですな。
もう、次回は、とか言わぬが吉。
えー、頑張ります。
 

なるほどう

 投稿者:のいすか  投稿日:2017年10月 8日(日)08時05分37秒
  そうキタか、志藤。

でも玲子ママは「ダメよっ」と、言っているぞ。
「嫌よっ」とは 言っていない。
これは大違いだぞ、うん。
そして意外な言葉に、抗いが止まってしまいました。
付入る隙、またもや見せてしまった、玲子ママ・・・ああ

「慎一には絶対に気取られるわけにはいかない」
ああ、玲子ママ。
慎一はたしかに、あなたの行動を「黒」にかけました。
でも彼は、どうにも、自信がないんです。そうです、何事もなかったように装って、どうか慎一を安心させてやってください。
志藤のずるい提案に 乗ったとしても・・・

「聞き分けなさい」と、あしらった玲子ママ。
でも、志藤にまたもや強引に身体をよせられて、う~ん、やばい展開ですよ。
なによりも、自らの肉体が、ソッチの方向に、もう反応しちゃってます。
お腹も満たされていることですし、お互い、バスローブ一枚という感触がまた、そういう反応を引き起こさせる触媒となっているのかも知れません。

え~と
「0時45分、ビーフシチュウとワインの夜食のあと、ダイニングで再び娘婿に抱きすくめられる」、
と・・・メモメモ。

このメモだけ見たら、
娘婿と義母ふたりっきり徹夜セックスの“中休み”としか思えないですねぇ・・・
 

Mi familia つづき

 投稿者:ポチ  投稿日:2017年10月 1日(日)08時20分18秒
  「御気に障りましたか? 率直な気持ちなんですが」
悪びれもせずに、志藤は、
「それを今夜かぎりと言われれば、名残を惜しまずにはいられませんよ。また後日って約束してもらえるなら、話は違いますけど」
「しつこいわよ。聞き分けなさい」
にべもない答えを返して。そうしながら、腕組みして考えを巡らす様子の志藤を、怜子は見やっていた。
「……やっぱり、なにか気障りなことを言っちゃいましたかね?」
窺うように志藤はそう訊いて、
「“美人の母親が付いてくる”なんて、確かに失礼な言いぐさでしたね。でもそれは、英理らしい尖った言い回しってだけのことですよ。もちろん僕は、怜子社長を英理の余禄だなんて思ってません。思うはずがないじゃないですか」
「……どうでもいいわよ、そんなことは」
深い溜め息とともに。どうしようもなくズレていると呆れ果てて。
だが、まるで見当違いの角度から宥めすかして、かき口説こうと熱をこめる志藤のしつこさを、疎ましいものとは感じなかった。
そも、それはまったく的外れな取り成しだったか? 件の英理の言葉を聞かされたとき、その逸脱ぶりに母親として暗澹たる思いをわかせつつ、女としての憤りを感じたことは事実。たった今の志藤の弁明に、その感情が中和されたことも。
……不穏な心理の流れであることは自覚できた。だから怜子は、
「ねえ、明日には、あの子たちも帰ってくるのよ。英理はともかく、慎一には絶対に気取られるわけにはいかないわ」
あえて、その名前を口に出した。今夜ここまで、考えまい思い浮かべまいとしてきた息子の名を。
遠く離れた場所で、姉弟がどんな時間を過ごしているのかは、今は知りようがない。怜子としては、慎一を連れ出した英理の行動が、ただ自分に対する“罠”を仕掛けるためのものであったことを願うしかなかった。まさか、慎一にすべてを明かすなどと、そこまでの暴挙には出るまい、と祈る思いで。
とにかく、明日――日付としては、もう今日だ――帰宅した慎一に、異変を気づかれることだけは絶対に避けなければならない。たとえ……帰ってきた慎一が、すでに“事実”を知らされていたとしても。いや、そうであれば尚更に、今夜自分が犯した新たな過ちまで知られるわけにはいかない。すべての痕跡を消して、何事もなかった顔で、息子を迎えなければ。これ以上、際限もない志藤の欲望に付き合わされては、それも困難になってしまうだろう。
なんて、ひどい母親か、と深い慙愧の念を噛みしめる。性懲りもなく過ちを繰り返さなければ、こんな姑息な隠蔽に心をくだく必要もなかったのだ。
「ああ、慎一くん。なるほど」
名を出されて、存在を思い出したといったふうに志藤は呟いて、
「確かに、彼には今夜のことは知られたくないですよね。ええ、もちろん僕も協力しますよ」
と、軽く請け負って。
すっと立ち上がった。テーブルを回って怜子の傍らに立つと腕を掴んで強引に引き上げた。
ほとんど、ひと呼吸の間の素早い動きだったが。唐突な行動とは云えまい。先ほどから志藤は、しばしの休息を終えての情事の再開を求めていたのだから。
「放してっ」
振り払おうとする怜子の抗いは、男の腕力を思い知らされただけだった。
「まあまあ。ふたりが帰ってくるにしても、午前中ってことはないでしょう。まだもう少し愉しめますよ」
「ダメよっ」
“もう少し”などという約束を信じて、ここで譲ってしまえば。この獰猛な牡獣は、朝まででも欲望を貪り続けることだろうと正確に見通して。なにより、そんな予見に怯えながら、瞬く間に熱を孕んでいく我が身の反応が怜子には怖ろしかった。腰にまわった強い腕に引き寄せられ、さらに体熱と精気を近く感じれば、熱い痺れが背筋を這い上がってきて。その自らの身中に蠢き出したものに抗うように身もがき続けたのだったが。その必死の抵抗をあしらいながら顔を寄せた志藤が、
「いっそ、英理にも秘密にしましょうか?」
耳元に吹きかけた言葉の意外さに、思わず動きを止めて、その顔を見上げた。志藤はニンマリと愉しげに笑って、
「今夜は、なにも起こらなかった。怜子社長は普段通り帰宅したけれど、僕からのアプローチは断固として撥ねつけられて。その身体には指一本触れることが出来なかったって。明日帰ってきた英理にそう報告するんです」
「…………」
まだ意図が掴めず目顔で問い返す怜子に、志藤はさらに笑みを深め、声をひそめて、
「そうしておいて。僕らは、また秘密の関係を復活させる。どうです?」
 

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