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すみません

 投稿者:ポチ  投稿日:2017年12月10日(日)08時25分31秒
  のいすかさん、いつもありがとうございます。
英理サン、とりあえず自信はマンマンですが。果たして?

で、またこんなタイミングになってしまいますが、今週は更新ができなくなりました。すみません。
 
 

う~ん

 投稿者:のいすか  投稿日:2017年12月 9日(土)21時52分17秒
  これはいい展開ですね!
しかしまぁ、英理ねえの冴え渡ること。
ママの行動をすべて見通してる。
言葉もなくなりますわね、慎一クンは。
玲子ママ、どういう思いなんでしょ?

玲子ママのパフューム・・・ああ、憧れっす。
 

Mi familia 第五話 つづき

 投稿者:ポチ  投稿日:2017年12月 3日(日)13時12分56秒
  食事を終えた志藤が浴室へと向かったあと、入れ違うように怜子が帰宅した。
志藤との時間差は四十分ほど。怜子自身の帰宅時間としては、極端に遅くはない。
「おかえりなさい」
「……ただいま」
明るい声で迎えた英理が、ソファから腰を上げて、
「食事にするでしょう?」
と、キッチンに向かいかけるのを、怜子が手振りで制して、
「いいわ、自分でするから」
「そう?」
あっさり引き下がった英理は、しかし座り直そうとはせずに、佇んだままキッチンの母を眺めて、
「また、ジムに寄ってきたの?」
と、訊いた。他意のない口調で。
「ええ」
と、短く答えた怜子の声も、ごく普通のものだった。
「やっぱり、そうだったのね。本当に熱心なのね、最近」
そう言った英理が、チラリと慎一を見やった。“ほらね?”と目顔で告げた。
「…………」
そのあとは、ほとんど会話はなかった。
怜子が、いつもどおりのひとりの夕食をとる間、その場にはテレビの音声だけが響いていた。
だが、ニュース番組の地味な画面を、かたちばかりでも視る態度をつくっていたのは、慎一だけだった。
英理は、ソファに戻ったが、その態勢は完全に食卓の母へと向いていた。背もたれに乗せた腕に顎を置いて、じいっと視線を注ぎつづけていた。
「……なに?」
静かに食事を続けていた母が顔を向けて問い質した。その表情や声音に、不快とか苛立ちの感情は浮かんでいなかったが。
英理は、ふっと微笑んで、かぶりを軽くふって、
「ジム通い、熱心なのはいいけど、あまり無理はしないでね?」
「……ええ」
「ああいうトレーニングって、成果も出始めて楽しさに目覚めちゃうと、ついつい熱中してしまうらしいけど。体に負荷をかけすぎるのは、よくないもの」
「そうね。気をつけるわ」
「ふふ。鍛え上げて、キレッキレになったママも、カッコいいかもしれないけどね。でもやっぱり、いまのセクシーなプロポーションのほうが魅力的だと思うわ」
「…………」
お決まりの(だが、少し奇妙な)賛辞には、母は反応を返さなかった。
「ごちそうさま」
やがて、食べ終えた怜子が立ち上がる。
「ああ、そのままにしておいて。あとはやるから」
「そう。お願いね」
今度は素直に任せて、鞄と上着を取り上げる。
「お風呂は? いま憲次さんが入ってるけど。あのひとも今日は遅かったから」
「そう。私は今日はいらないわ」
「そう。じゃあ、おやすみなさい、ね」
「ええ。おやすみ」
「……おやすみなさい」
ボソリと言ったのが、母の帰宅から初めて慎一が発した言葉だった。それへと、ひとつ頷きをかえして。
母・怜子、退場。
それを見送って、姿勢を直した英理が、くすりと笑って、
「“そう”“そう?”“そう……”って、なんだかねえ」
妙な抑揚をつけて繰り返したのは、今しがたの母娘のやりとりを再現したのだろう。それが可笑しかったと、もう一度笑ってから、対面からじっと見つめる弟の顔を見やって、
「やっぱり、“ジムに寄ってた”でしょ?」
と、ドヤ顔で云った。皮肉っぽくカッコ付きのアクセントで。
それには、頷くしかない。姉の推測が当たったことは事実だから。
「本当だと思う?」
「……まあ。別に、おかしくはないだろ」
そう答えると、姉は一本立てた指を、母が去っていったほうへ向けて、
「ママ、仕事用の鞄しか持ってなかったわよね」
「…………」
あ、という表情になってしまった。確かに帰宅した母が手にしていたのは、愛用のビジネス鞄だけだった。スポーツバッグや手提げ袋の類は持っていなかった。
だが、そう指摘しておいて、姉は、
「まあ、それは説明がつけられるのよ。ママは、ジムのプライベートロッカーに何着かウェアを常備してるから。多忙なママが、いつでも時間が出来たときに行けるように。そうしたら? って勧めたのは、私なんだから。だいぶ以前に、ママが今みたいに“ジム通いに熱心”じゃなかった頃にね。だから、まさに今日のように、急に気が向いて寄ったって場合なら、置いてあるウェアを着て、トレーニングに励んで。そのあと、使ったウェアは、あの無骨で可愛くないけど収容量はたっぷりなビジネス鞄に押し込んで帰ってくればいいってわけ。ああ、それだと、あとでママに、ちゃんと洗濯物に出すように言っておかなきゃだけど」
一旦、言葉を区切り、小首をかしげて、
「でも……今日は、使用済みのウェアを“ジムに置き忘れて”きちゃったんじゃないかしら? 何故だか、そんな気がするのよね。以前にも何度かあったし。ちゃんとスポーツバッグを持ち帰ったのに、その中は空だったとかね。ママって、たまにそういうことがあるから。たっぷり汗を吸ったあと、数日ロッカーの中に放置されたウェア、なかなかスパイシーなことになってたわね。凝縮されたママの匂い、懐かしいな」
皮肉な想定から回顧へ、さらには怪しい懐旧に逸脱したあとに、ふっと冷静な顔に戻って、
「もしかしたら、アリバイ工作として、本当にジムに寄ってくるかとも思ってたけど。ふたりの帰宅の時間差をみると、それはなかったでしょうね。ママがシャワーを使ったのは、他の場所よ」
シンプルに、そうまとめた。
「……その前提は揺るがないんだ?」
今夜、ふたり――母と志藤が、幾ばくかの時間をともに過ごしたという前提は。
「それはそうよ」
なにを今さらといった調子で、姉はそう言い放って、
「それが私の見立て。私なりの観察で見出した根拠に基づいた結論。だから、アンタにも同意しろとは言わない。判断の材料は与えてるんだから、あとは自分で考えなさい」
「…………」
そう、判断の材料は与えられている。
実は、幕間があったのだった。一幕目と二幕目の間、夕食を終えた志藤が浴室に入ってから母が帰宅するまでの僅かな間に。
『……ほんと、ふてぶてしいったら』
志藤を見送った姉が、呆れたようにそう言った。
『それは、ママと違って、シャワーを済ませてくる口実もないけど。だからって、よくもまあ平然と』
そう続けてから、慎一へと向いて、
『汗臭さにまじって、確かに匂ったのよ。馴染みのあるパヒュームが』
『…………』
『移り香をつけて御帰宅なんて、いい気なもんよね』
『……あ…』
ようやく意味が掴めた。
同時に、直前まで眺めていた姉夫婦のやりとりの中でも、特に難解だった部分が、ぼんやりと理解できたのだった。残業とは接待だったのか? という姉の問いかけの理由が。
女性が着くタイプの店に酒席をもうけて、取引相手を接待していたのか? と姉は志藤に訊いたわけだ。体についた香水の匂いは、そのせいなのか、と。無論、そんなことだと爪の先ほども考えたわけではなく、婉曲な当てこすりとして言ったのだ。
違うと志藤は答えた。多分、姉の唐突な問いかけの真の意図も、その切欠も理解しながら。
きっと、そうだ。だからこそ姉は、今さらにそのふてぶてしさに呆れたのだ。
(……なんなんだ、この夫婦は……)
怖気に似た感慨を噛みしめていたそのときに、母が帰ってきた。短い幕間は終わってしまった。
二幕目が終わって。いま再び、その些細といえば些細な一場面を思い起こして。それもまた“根拠”のひとつとして、姉から提示されたものなのだとは理解しながら。
しかし、本当だろうか? と疑う。
“馴染みのあるパヒューム”だったと姉は言った。ならば慎一も“あの匂いか”と思い出せる、母の香りということなのだろうが。
しかしそれは、いつもごく淡く、ほのかに香る程度のものだった。仕事のときにつけるのだから当然だ。
あの程度の香りが、移り香というかたちで、他者の体から嗅ぎとれるほどに残るものなのだろうか? ……確かに姉は昔から、匂いや香りには敏感だったけれど。
やはり、先入観からの錯覚ではないのか。そう心中に呟きながら、目を上げて姉を見やった。
姉は首をねじって、また母の消えていったほうを見ていた。思案げな横顔をこちらに向けて、
「……髪には、まだ湿り気が残ってたわね」
ひとりごちるように、そう云った。
「やっぱり、忙しない逢瀬になってしまったみたいね。……ふふ、気づいたら時間がなくなってて、大慌てでシャワーを浴びて髪を乾かして、なんてママの姿を想像したら可笑しいけど」
「…………」
どうして、そんな想像で笑えるのか? と思った。今さら、本当に今さらな感慨ではあるが。
「……でも……なんだか、すっかり満たされたって感じじゃあなかったわね。それは、先週末と比べたら、あまりにあっという間で、物足りなかっただろうけど……それにしても、ねえ」
またぞろ不穏な呟きをこぼしながら、その切れ長の眼が、すっと細められた。
「もしかして……あのひとに意地の悪いことをされたのかしら? ああ、そうね、きっとそうだわ。いかにも、あのロクデナシがやりそうなことだもの。嗚呼、かわいそうなママ!」
「…………」
気色ばんで、夫である男を詰り、母への同情を口にしながら、その眼が愉しげに輝くのを。
言葉もなく、慎一は見つめていた。
 

更新

 投稿者:ポチ  投稿日:2017年12月 3日(日)13時11分24秒
  >客人さん
書き込み、ありがとうございます。拙作、楽しんでいただけたようで嬉しいです。
仰るとおり、ここ三作“女ボス”のヒロインが続いていますね。
『夜より――』と今作では、社長という肩書きまで一緒になってしまい。さすがに連続はどうか、とも始める前には思ったんですが。自分の嗜好に従った結果、このような成り行きに……。
そうですね、『夜より――』の場合、当初から、秘匿のままの二重生活という構想でしたので、最後まであのような形で終わってしまいました。
御期待にそえなかった部分は、小説のあのさきとして、皆さんに自由に思い描いていただきたい、と。
今作においても、御期待に応えられるかは……いまのところ、なんともいえません。すみません。
タイトルどおり、基本的には、家族内で進行していく予定ですので。
至らぬところ、御不満な点は、多々ありましょうが、寛大なこころでお付き合いいただければ幸いです。

>のいすかさん
いつもありがとうございます。
なにがあったかと云えば……多分、想像どおりのことがあったんだとは思いますが。いや、まだ状況証拠だけですが。
英理のツッコミは、今回も控え目かな? 直接的には。
慎一は……いまだ、充分な観察眼は会得できず、でしょうか? 頑張れ、と応援していいものかは疑問なところ。

続きを貼らせていただきます。
ちょっと、読みにくいかなあ、と不安を抱きつつ。まあ、それはいつものことかも。
 

時間差で帰宅

 投稿者:のいすか  投稿日:2017年12月 2日(土)22時23分17秒
  ポチさん ありがとうございます。
ああ、どうなんでしょう。なにがあったのでしょう。
志藤、残業の謎・・・。
腹ペコで、しかも汗くささも・・・
先に志藤が帰ってきたとしたら 玲子ママ、アリバイづくりでまさかジムにいちょっと寄りしてないでしょうねぇ?
英理ねえのつっこみがコワイよ~

>「先週の、ひと晩たっぷりと可愛がられたって体験のあとに、また“ご休憩”の忙しない逢瀬に戻るってのは、どうなのかしらねえ? それで満足できるのかしら、ママは」

のいすかもそう思う・・・そこからまた、あらたな展開がありそうですけども。

さぁ、いよいよ玲子ママ帰宅か・・・?
慎一、よ~く観察するんダゾ!
 

(無題)

 投稿者:客人  投稿日:2017年12月 2日(土)16時46分21秒
  この間<夜よりほかに知るものもなし>を読みました。
すごいと思います。

初期のポチさんの小説で主人公が普通の主婦タイプだったら、最近の
<夜よりほかに知るものもなし>、<討女月影抄>などの作品では、
<女ボス>という特徴が明らかになったと思います。
女ボスが持つ厳格さと威厳が崩れた時の
墜落上はエロチシズムの極点に近いと思います。
ポチさんの小説では、そのようなポイントを明確に
描くことなのにすごいと思います。
<夜よりほかに知るものもなし>では
女の主人公が堕落した後の会社での姿が
気になります。
部下社員との関係はどのように変わったのか?
威厳のある女社長が部下とも同衾するのかなぁ?
<討女月影抄>のようにもっと明確に
女の主人公の墜落賞が公開されるのを
期待したが、エピローグで少し皮相的に描かれた
部分は残念です。
今回の新作<Ma Familia>も非常に楽しみにしています。
女の主人公が墜落した後の姿が
忠実に描かれたらすごく嬉しいと思います。
 

Mi familia 第五話 つづき

 投稿者:ポチ  投稿日:2017年11月26日(日)09時51分23秒
  何気ない口調だった。“爆弾”は投げつけるのではなく、静かにそっと置くという、姉のスタイルのとおりに。
慎一は、二人分の用意がされたテーブルについて、
「……珍しいね」
と、返した。こちらも精一杯に何気ない調子を装ったが、あまり上手くは出来なかった。
「そうね。まあ、志藤だって勤め人のはしくれなんだから、たまには残業もあるわよ」
英理は淡々とそう云って、そのあとに、
「でも、今日のは嘘でしょうけど」
そう付け加えた。案の定。
「……まだ、わからないだろ」
慎一は言った。姉には冷ややかな目を向けられたが、そう言い続けるのが自分の役割だと、開き直ったような気持ちで。
「そうねえ。もし、このあとママが早くに帰ってくれば、私の見込み違いってことになるけれどね。たまたま今日は、仕事が早く片付いたなんて巡り合わせで」
そう言った英理は、すぐにその自らの言葉を鼻で笑って、
「ないわよ、それは。志藤も、そんな間抜けじゃないから。アポがとれてなきゃ、遅れるなんて連絡してこないもの。今日、ママの帰りが普段より早くなることはありえない。いつもより遅くなるんじゃないかな。そうね、きっと“ジムに寄ってくる”と思うわよ。それなら、シャワーを済ませてることの言い訳にもなるしね」
皮肉な調子でそう決めつけて。時計を見やって、
「もう、落ち合ったのかしら? 待ち合わせは、また例のスパイ映画みたいな面倒な手順を踏んでるのかな。きっと、そうしてるわね。あの頃より、さらに人目を忍ばなきゃならない間柄になってるんだから。でも、金曜の夜なんて、すんなり部屋がとれるのかしらね? そういえば、以前に使ってたホテルは、いかにも流行ってないって感じだったけど。だとしたら、懐かしい状況に、懐かしいロケーションで、それもまた燃えるものがあるでしょうね」
ひとしきり、まくしたてて。ふと思案気な表情を浮かべて、
「でも、先週の、ひと晩たっぷりと可愛がられたって体験のあとに、また“ご休憩”の忙しない逢瀬に戻るってのは、どうなのかしらねえ? それで満足できるのかしら、ママは」
そう云って。向かい合った弟の顔色を改めて眺めて、“ああ、わかってる”というように手を振って、
「そう、これはただの推察。いまのところは、ね」
と、譲歩して、フンと腹立たしげに鼻を鳴らして、
「やっぱり、もどかしいわねえ。情報を止められてるってのが。あとから補完してもらえれば、いいけど。アテにできないのよねえ、それも」
勝手に事態を進めていく志藤への不満を零して。
「まあ、とにかく、二、三時間もすれば、ふたりとも帰ってくるだろうから。いくら名残惜しくても、さすがに泊まりまでは出来ないでしょうしね。そのときに、アンタはアンタなりの目で見極めるといいわ」
「…………」



志藤が帰ったのは、十時過ぎだった。平素より三時間ほど遅い帰宅ということになる。
慎一はリビングでそれを迎えた。かたちばかり、テレビを視ているという態勢をつくって。
「ただいま」
「おかえりなさい」
さっとソファから立って、足早に近寄っていったのは英理だ。志藤の手から鞄を引き取ると、さらに体を寄せ、背伸びして、チュッとキスした。いかにも新婚夫婦といった出迎えの儀式は、この一週間は途絶えていたものだった。反応を試すつもりか、と理解して、慎一はいつもなら目を逸らしていたその不愉快な光景を注視したのだったが。
「久しぶりだね」
そう云って笑った志藤の様子には、動揺は窺えなかった。
「そう? たまたまでしょう」
空とぼけた姉は、志藤の背後にまわると、上着を脱がせながら、
「遅くまで働いて帰ってきた夫を労うのは、妻として当然の務めだもの」
他意のない口調でそう言った。台詞は、意味深長と取れなくもないものだったが。
「それは、ありがたいな」
悠然たる志藤の態度は変わらなかった。
畳んだ上着と鞄を両手に抱えて、志藤の前へと戻った英理は、つと今度は胸元に顔を寄せ、すんすんと鼻を鳴らして、
「なにか、力仕事だったの? 少し汗が臭うけど」
「そう?」
見守る慎一を緊張させた英理の指摘にも、当の志藤は慌てる素振りも見せず、弁明もしなかった。
と、もう一度、志藤の首筋のあたりで鼻を鳴らした英理が、ヒクリと眉を上げて。志藤の顔を見上げて、
「もしかして、残業って接待だったの?」
と、訊いた。
「いや、違うけど」
反応はそれだけだった。どうして、そんなことを訊くのか、と問い返しもせずに。のほほんとした表情のままで。
「そう」
英理もまた、あっさりと頷いて。最後の問いかけの理由を説明することもなく。
「先にお風呂にする?」
「食事にしたいな。腹ペコなんで」
「了解」
抱えた上着と鞄を一旦ソファに置いて、英理がパタパタとキッチンに向かう。そのあとに続く志藤。
どうやら、これで、ひと段落……らしい。
で、なにが、どう落着したというのだろうか? 慎一には解らなかった。難解な舞台劇を観せられたような気分になって。
あの短く奇妙な応酬の中で、姉は某かを掴んだのだろうか? 或いは(まさに言葉通りに)なにかを嗅ぎつけたのか。
志藤のあの落ち着きようは、慎一にとっては吉兆と捉えるべきものなのか。……どうも、そうは思えなかった。ここ最近に、慎一の中で明確になってきた、その人物像と照らしてみれば。
向こうでは、その義兄が、常よりだいぶ遅い夕食をとりはじめている。甲斐甲斐しく世話をやく姉と、和やかな雰囲気を作って。
今しがたまで、こちらリヴィングで演じられていた劇の続きであるように思えた。
そうであれば。このあとに、まだもう一幕が残っている。いまひとりの人物の登場を待って。
 

更新

 投稿者:ポチ  投稿日:2017年11月26日(日)09時50分18秒
  のいすかさん、いつもありがとうございます。
あらすじまで書いていただいて。恐縮です。
こうして改めて振り返れば、これだけのストーリーをウロウロと道草くいながら長引かせてしまってるなあ、と思いつつ。まあ、それが芸風ということで、おゆるしいただきたい。
怜子社長の白スーツ姿、まさか一周年などと祝っていただけるとは。
思い出すと、確かに当時、さすがにここまで来てもヒロインの艶姿が皆無なのはマズイなあ、と考えての、あのシーンでした。結果として、楽しんでいただけたなら幸いです。

続きを貼らせていただきます。
例のごとく、予定の箇所まで辿り着けず。怜子ママンの帰還は次回持ち越しになってしまいましたが。スミマセン。
 

これまでのあらすじ

 投稿者:のいすか  投稿日:2017年11月20日(月)20時03分40秒
  ここをはじめて訪れる方のために、現在ポチさんが執筆中の「Mi Familia」のこれまでのあらすじをアップいたします。

これまでのお話はNovels Menu
http://pochigoya.x.fc2.com/potinovels.htm)の[Mi familia]1~4に
掲載されております。
以下、1~4の章ごとに区切ってあらすじを紹介します。
(あくまでのいすかの認識によるあらすじ把握なので、ポチさんには「これはちょっと違う」と思われるかも知れませんが、ご容赦を)

Mi familia
≪第1章≫
母・須崎玲子の反対を押し切って、長女・英理と志藤憲二は結婚した。
英理は須崎家を出ていき、志藤との暮らしを始めた。英理の出て行った須崎家では、玲子と大学生の息子・慎一の二人きりの生活となった。
1年が経ち、姉・英理から慎一に連絡が入る。姉夫婦は須崎家に帰ってくることにしたというのだ。母・玲子は息子の慎一とも話したうえ、それを受け入れたようだった。

≪第2章≫
こうして、須崎家での二世帯同居が始まることになった。それまでの玲子の部屋は、帰って来る娘夫婦の部屋とした。玲子自身は、棟の反対側に位置する、かつて英理が使っていた部屋(慎一の部屋の隣)へと居を移した。
家事の諸々は、自身が経営する会社で多忙を極める母・玲子にかわって、全てにおいて抜け目のない英理が見事に取り仕切っていた。
志藤という新しい家族が増えたが、慎一はいまだに打ち解けないでいた。志藤も慎一に対し義兄弟としての親交を深めようとする態度は見せなかった。一方、ふたりの結婚に反対していた母・玲子も、今となっては反対する態度も取らず、あたりさわりのない普通の接し方をしているように慎一には思えた。
しかし、ひとつ、変化があった。
英理と志藤は毎週末の日中、二人でホテルに出かけ夫婦生活を堪能してくるというのが常だった。それはそれでいいが、問題はそのあとだ。帰宅後には、英理は決まって、そんな生々しい夫婦仲を、母・玲子にあからさまに見せつけるような態度をとるのだった。男女のじゃれ合いとも思える会話の端々にも、母・玲子に対し、挑発的ともいえる態度が明らかに見てとれた。慎一は戸惑うばかりだった。
一方、かつて志藤と肉体関係を続けていた玲子としては、日々の生活の中で志藤のバスローブ姿などを目にするのは1年ぶりのことであった。同居となれば、娘婿のそんな姿を目にすることもあろうが、バスローブのぞく志藤の固い胸元に目が行けば、かつてのこの男との肉体関係を思い出さずにはいられない。しかも、かつては玲子にのぼせあげ、熱烈なアプローチをし続けてきたその男が、今はよりによって自分より娘の方を選び、挙句の果てには娘と結婚している…。そんな状況に、次第に内なるわだかまりを募らせていく玲子なのだった。
そんな生活が続いた、ある金曜の午後のこと。
英理は大学の講義を終えた弟の慎一を、その晩からの一泊旅行に誘った。突然の姉の誘いに戸惑う慎一であったが、母・玲子に連絡を入れたうえで、姉・英理に誘われるままにふたりで温泉旅館に投宿した。

≪第3章≫
そしてその晩、英理から、母・玲子の秘密 ―志藤と玲子の肉体関係― を、知らされた慎一。さらに、英理と志藤が結婚した本当の訳も知り、ショックを受ける。
―まさか、あの母が。そんなことをしていたなんて―
今夜の旅行は、家に志藤と母・玲子を二人きりにし、事の成り行きを試そうとする英理の企てであり、母・玲子の内なる秘めた情熱を試そうとする「試験」なのだった―。

≪第4章≫
一方、姉弟揃っての一泊旅行が、英理の企てと推し量りながらも、志藤と二人きりとなる自宅に帰宅した玲子。既に帰宅していた志藤は、玲子をスコッチの付き合いに誘い、かつての関係を復活させようとモーションをかける志藤。この機に乗じた見え透いた志藤の誘いには絶対に乗るまいと頑なな態度を保ち、いまやお互いの立場をわきまえるべきだと志藤を諭そうとする玲子であったが、言葉巧みな志藤にそんな拒絶もかわされていく。そんな隙を見計られたか、唐突に、志藤に抱きつかれた玲子。その逞しい腕に強く抱かれれば、抗いも次第に形だけのものとなっていった。かつて志藤と持った関係の記憶が蘇れば、玲子の肉体はさっそく女としての反応をあらわにしてしまうのだった。英理と結婚したのは、玲子と別れるためではなかったのだと、甘い言葉を志藤に耳元で囁かれれば、玲子はいつしか唇を許し、ソファに横になり、志藤と重なっていた。そのまま最後までの性急な情交に及べば、1年ぶりとなる性交の怒涛の感覚に翻弄された玲子は、あっという間に気を飛ばしてしまうのだった。
続く浴室で、さらに、二階の自室で、「今夜だけ」という科白に自らを納得させながら、この晩、志藤を受け入れた玲子。そのグラマラスな肢体を賛美・堪能する志藤。1年ぶりとなる関係に自身も昂ぶりながら、玲子の急所を知り尽くした志藤は、次から次へと技巧を繰り出て、玲子を快楽の淵に何度も追いやるのだった。これまでの経験をはるかに凌駕する肉悦を刻み込まれれば、玲子自身も、いまや止まらぬ官能の炎に身を焼きながら、この1年の焦燥をぶつけるように、自ら腰を貪欲に振りたくり、貪るように志藤の逞しい肉体を求めていくのだった。
深夜―。激しい情事の小休止とも言える遅い食事をキッチンで摂る玲子と志藤。英理には秘密にしておけばいいと、今後、関係再開を玲子にしつこく迫る志藤。志藤に言わせると、玲子とは、この上なく身体の相性がいいのだ、という。しかし、今夜の自らの振る舞いを自制心がなく恥ずべき行為と省みる玲子は踏みとどまり、娘婿の邪な誘いに首を縦に振りはしなかった…あなたとは、あくまで今夜きりの関係であると。
頑に拒み続ける玲子に業を煮やし、態度を豹変させて開き直った志藤。ならば今夜は最後までその熟身を味わい尽くすまで、と宣言した志藤の股間は、既に逞しい復活をみせていた。志藤にキッチンから2階の寝室ベッドへと急かされつつも、玲子の肉体は既に志藤を求めて官能の歯車が回りだしていた。金曜の深夜、英理も慎一も居ない二人きりの家で、玲子は再び、娘婿たる志藤に一睡の暇もなく抱かれるのであった…。

≪第5章≫
2017年10月22日~ 現在進行中。

以上です。



 

あのお姿から1年です♪

 投稿者:のいすか  投稿日:2017年11月19日(日)12時17分43秒
  ポチさん、大人のエンタメ、ほんとうにありがとうございます。
コレを読むのが楽しみで 毎週日曜が待ち遠しいです。

さて、英理ねえも、しばし様子見で臨機応変に作戦を組み立てていくようですね。
そして英理ねえの最終目的は…須崎家補完計画!…かな?!(笑)
いずれにしても、母娘の攻防、なんだかこれからの見所になりそうな。
そして 1週間後の金曜日の夜・・・
志藤も玲子ママも、まだ帰ってきてませーーーん!
兄弟だけでまたゴハンです。1週間前と同じシチュでーーす!
なんだか、なんだか~~!!
物語がまた進みそうな!

>「・・・。或いは、もっと明確に約束させたのかもね。あれだけの時間があれば、そんな言葉を引き出すことも、志藤には造作もないことでしょうから」

ええっ、も、もしかして・・・??
「今夜だけよ」って、あれほど言ってたのはいったいどうなったんですか、玲子ママ!!…い、いや、それはない!ないと信じたい!

・・・・・・・・・・・・・

・・・さて思えば、1年前。
この掲示板での更新では、11月20日更新版は盛り上がったなぁ…と思い出します。
オフホワイトのボディコンシャス・スーツのいでたちで 玲子ママ登場の日でした。その前夜には、「悩ましく艶めいた」幻の音声を夢うつつに聞いた慎一でしたよね。
あれから1年。いまやそんな苦悩もフッ飛ぶ濃厚~~な一夜を 娘婿たる志藤と過ごした玲子ママです。
つーことで あのお姿をもう一度ッ!

http://noysca.blog17.fc2.com/blog-entry-1101.html

 

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